サムネの重要性
サムネの重要性
サムネの設計方法に入る前に、まずはサムネの役割と重要性について理解をしておきましょう。
YouTubeでは、動画の中身がどれだけよくても、残念ながらそれだけでは再生されません。
なぜなら、視聴者の多くはサムネを見て動画を見るかどうか判断をするからです。
YouTubeを開くと分かるように、まず目に飛び込んでくるのは「サムネ」です。
サムネはいわば、商品のパッケージのようなものです。
商品のパッケージは、商品を手に取る前の顧客に「この商品はこんな商品で、こんなに素晴らしいんだ!」と伝えることで、購入意欲を掻き立てることができます。
いまYouTubeには良質なコンテンツが大量に溢れています。
数多くある動画の中から、自分の動画を再生してもらうためには、目を引くサムネを作る必要があります。
アルゴリズムの観点から見るサムネのゴール
では、サムネは何をゴールに作れば良いのでしょうか
これはYouTubeのアルゴリズムの観点で考えると分かりやすいでしょう。
本教材でも紹介している、アルゴリズムを思い出してみましょう。


多くの人のオススメ欄に掲載されるには「サムネのクリック率が高いこと」が求められるのでした。
クリック率が高い=「ユーザーの興味を引く動画」と判断され、オススメに載りやすくなり、動画が伸びやすくなるという流れですね。
動画が伸びる要因はサムネだけではないものの、第一にサムネをクリックされない限りは始まりません。
つまり、サムネの目指すべきゴールは「クリック率の最大化」です。
視聴者がひと目見た瞬間に「思わずクリックしてしまう」サムネを作りを目指しましょう。
◎インプレッションのクリック率の多くは「サムネ」が占める
ここで、一つ補足があります。
サムネのクリック率を構成する要素は、実はサムネだけではありません。
「サムネ」、「タイトル」、「企画」の要素が入り混じっています。
「サムネ」と「タイトル」の組み合わせ次第でも、クリック率が変わります。
「サムネ」を目立せても、企画が面白くなければ、クリックされません。
このように、「サムネだけ」で評価をすることはできないんです。
ですから、YouTubeの管理画面を見ても「サムネのクリック率」という項目はありません。
あるのは「インプレッションのクリック率」です。
サムネのクリック率≒インプレッションのクリック率
「インプレッション(数)」とは「視聴者にどれだけ表示されたか」という意味です。
インプレッションのクリック率は、概ね「サムネ」「タイトル」「企画」の要素で構成されます。
その中でも、先述したように、YouTubeを開いて真っ先に目に入るのは「サムネ」です。
そのため、この「インプレッションのクリック率」のほとんどを占めるのは、「サムネ」と考えてよいでしょう。
実際に、みなさんもサムネ次第で動画をクリックするかどうかを決めることが多いのではないでしょうか。
そこで、ここでは「サムネのクリック率」を上げる方法に絞って解説をします。
◎クリック率の評価基準
具体的な解説に入る前に、そもそも「インプレッションのクリック率」の高い、低いの基準がわからない人もいるでしょう。
インプレッションのクリック率はジャンルやチャンネル規模などさまざまな要素で大きく変わります。
そのため、ひとつの評価基準ではかることはできません。
でも、だいたい「この数値を上回れば良いよね、逆にこの数値を下回ると悪いよね」という基準は存在するので、私の経験も踏まえて解説します。
クリック率は動画公開から時間が経つにつれて低下する
ちなみにインプレッションのクリック率は、動画公開から時間が経つにつれて下がる傾向にあります。
本教材でお伝えしたYouTubeのアルゴリズムを思い出してみましょう。

このように、動画アップロード直後は「チャンネル登録者」や「動画への興味関心の強い人」を中心に(オススメ欄に)表示されます。
この人たちは、もともと動画、もしくはそのジャンルに対して興味がある人たちです。
興味があれば、どんな動画であれクリックされやすいため、クリック率が上がるんです。
例えば、自分が好きな芸能人やYouTuberが出ている動画であれば、とりあえずクリック(視聴)したくなると思います。
動画がアップロードされてしばらく経つと、動画の評価が反映されて、少しずつインプレッションの幅が広がります。
つまり、興味関心の薄い人たちにも動画をオススメし始めるということです。
当然、動画に対して「興味関心の薄い人たち」は「興味関心の強い人たち」に比べて動画がオススメされても、クリック(視聴)する確率は低いです。
先ほどの例の続きで言うと、他の人が大好きな芸能人やYouTuberが出演をしていても、興味がない人は、ただ出演しているだけではクリック(視聴)しようと思いません。
おもしろそうな企画で、クリックしたくなるサムネで初めてクリック(視聴)しようと思うはずです。
そのため、クリック率が下がるという現象が起きるのです。
この話で、みなさんにお伝えしたかったのは「クリック率の評価は動画アップロード直後と一定時間経過後では異なる」ということです。
チャンネル規模が大きくなると平均値も下がる
さらに言えば、クリック率はチャンネル規模によっても左右されます。
チャンネルを開設した初期段階は、あなたのチャンネルに興味関心が強い人が登録をします。
この理由は、YouTubeのアルゴリズムが、興味関心の強い人から順にインプレッションを広げていくからでしたね。
ですから、まだ登録者が少ないうち(1万人以下)では、標準より高いクリック率を目指すべきです。
1万人を超えたあたりからは標準の評価基準で考えると良いでしょう。
この前提で、目安となる評価基準を参考にしてください。
ここでは、「アップ直後」と「2日後」で評価基準を分けます。
「2日後」はあくまで、目安として置いているだけなので、厳密に考えすぎなくて大丈夫です。
【優秀】
アップ直後:14%以上
2日後 :8%以上
【普通】
アップ直後:8% ~ 13%
2日後 :6% ~ 7%
【改善余地あり】
アップ直後:7%以下
2日後 :5%以下
サムネ設定の運用方法
サムネは「作ってアップしてダメだったら終わり」ではありません。
ひとつの動画単位で改善をすることができます。
余裕がある方は、ひとつの動画ごとにサムネを2点以上作成しましょう。
以前、私がコンサルをしていたチャンネルでは、毎回デザイナーに候補を数枚出してもらって、2枚に絞っていました。
動画アップロード後、上記の評価基準を参考にして「クリック率が低い」と判断したら、翌日にはサムネを変更しましょう。
明らかに低いと判断をしたら、その時点でサムネを変更しましょう。
私も、明らかに低い数値を叩き出したときは、早い時で2時間後にはサムネを変えることがあります。
サムネを変更してクリック率が上がればそのままで、もし変更後にさらに低下したら、元のサムネに戻しましょう。
余裕のある方は、タイトルを付け直すのもよいでしょう。
私は、あまりにもクリック率が低いときは、タイトル、サムネに入れる文言から変更していました。