クリック率の高いサムネの要素
ここまでで、サムネのクリック率を高める重要性をお伝えしてきました。
では「クリック率の高いサムネ」とは、どのようなものでしょうか。
「クリック率が高いサムネ」を分解すると、以下の2つに分けられます。
- キャッチコピーが強い
- デザインが良い
本教材では、主にサムネ設計の知識として重要な「キャッチコピー」を中心に解説をします。
注意点
具体的な解説に入る前に、守るべき注意点をお伝えしておきます。
インパクトのある、クリック率の高いサムネを作っても、チャンネルにとってマイナスの影響を与える可能性があるものもあります。
最悪の場合、チャンネルがBANされる可能性もあるので、押さえておきましょう。
サムネは、どんな表現を使ってもいいわけでありません。
YouTubeのコミュニティガイドラインに記載されている下記のようなサムネは、作成しないよう注意してください。
※守らなかった場合、オススメ動画として紹介されにくくなるだけでなく、チャンネルやアカウント停止になる可能性があります。
作ってはいけないサムネ
- 動画内容を的確に表していない
- 性的な画像(ヌードなど)、卑猥な表現を含む
- ヘイトスピーチ
- 暴力的な画像や表現を含む
- 衝撃的・不快・乱暴な言葉や画像(流血画像など)を含む
※詳細は、サムネイルに関するポリシー 、Video Thumbnails - Creator Academy YouTube - YouTubeを確認しましょう。
ほとんどの項目は「分かりやすくアウト」なので、常識の範囲内でサムネを設計していれば、間違えることはありません。
ただし、多くの人が気づかないうちにやってしまっていることがあります。
それは「動画内容を的確に表していないサムネ」を作ってしまうことです。
◎クリック率だけを考えているとチャンネルが死ぬ
サムネは「視聴者に興味を持ってもらうため」という目的があるものの、一番大事なのは「動画内容を正しく伝えること」です。
極端ですが、「この商品を買ったら、中に1万円入ってます!」というパッケージの商品があったとしましょう。
明らかに多くの人の興味をひいて「1万円もらえる」のだから、購入率もかなり高まるはずです。
でも実際に購入して、中に1万円が入っていなかったらどうでしょう。
詐欺ですよね。
怒りを覚えるはずです。
こうやって極端な例で話を聞けば「そんなの当たり前だろう」と思うでしょう。
でも、多くのYouTuberは、このようなことをしています。
正直に言えば、私も間違えた方向でサムネデザインを考えてしまったことがあります。
チャンネル運営をしていると、自分で気づけなくなってくるんです。
時間をかけて作った動画は、多くの人に見て欲しいと思います。
多くの人に見てもらうためには「とにかくインパクトのあるサムネを作ろう」と考えるようになります。
「ここまでなら大丈夫、ここまでなら大丈夫」のくり返しで、気づけば動画の内容とかけ離れたサムネになってしまいがちなのです。
先ほど例に挙げた1万円詐欺パッケージと同様に、動画の内容とかけ離れたサムネは視聴者の怒りを買ってしまい、信頼を失います。
視聴者の信頼を失えば、これからアップする動画も「どうせ釣りだろう」と、視聴してくれなくなります。
その結果、どんな動画を出しても伸びなくなってしまいます。
◎アルゴリズムの観点から見る「釣りサムネ」のデメリット
この釣りサムネのデメリットに、より納得感を持ってもらうために、アルゴリズムの観点からも解説をします。
「釣りサムネ」を作り始めると、分かりやすく次の2つのことがおきます。
- クリック率が下がる
- 視聴維持率が低下する
クリック率が下がる
釣りサムネなので、インパクトはあります。
そのため、短期的にはクリック率が上がります。
でも、くり返しサムネのインパクトに釣られる視聴者も学習します。
「このチャンネルはすべて釣りサムネ」と思うようになるんです。
一度持たれた印象は、なかなか拭うことができません。
その結果、どれだけインパクトのあるサムネがオススメされても「どうせ釣りサムネだから」という理由でクリックされなくなります。
それどころか、本当に内容にマッチしたサムネを作っても、「どうせ釣りだ」と思われて、クリックされなくなります。
オオカミ少年状態です。
このような流れで結果的にクリック率が下がります。
視聴維持率が低下する
釣りサムネのデメリットはまだあります。
釣りサムネは、インパクトが強いために、クリックした人は「サムネのシーンはどこだろう?」という感情で動画を視聴します。
そのため、最初から動画を見てくれず、目的のシーンだけを探すようになるのです。
目的のシーンを見たらすぐに離脱されるため、動画の視聴維持率が低下します。
目的のシーンがなければ、ネガティブなコメントと低評価をされます。
その視聴者は、二度とあなたの動画をを見てくれなくなるでしょう。
YouTubeは、視聴された動画のクリック率、視聴維持率などをもとに動画を評価するのでしたね。
これらの評価が高ければ、多くの人のオススメ欄に掲載されて、動画の再生回数が伸びます。
でも、今紹介したように釣りサムネでは、すべての項目が低評価となるため、動画はオススメ欄にも載らず、伸びることもありません。
「釣りサムネ」は作らないように注意しましょう。