②人間の心理傾向を活用する

続いて、「人間の心理傾向を活用する方法」です。


マーケティングにおいては心理学の知識が役立ちます。

今回は、サムネのコピーに活用できる人間の心理傾向を7つ紹介します。

これはサムネだけでなく、企画、台本、タイトル作成に共通して使えるテクニックです。


ぜひ、活用してみてください。

 

プロスペクト理論(損失回避の法則)


◎心理傾向

「得をする」ことよりも、「損をしない」ことを選ぶ


◎活用方法

動画の中でポジティブな内容を話しているとしても、あえてネガティブな表現を使う


◎例

「この動画を見れば生涯賃金が1000万円増えます」より、「この動画を見ないと生涯賃金が1000万円減ります」の方が気になる。


▼実際の動画


この動画では、好感度が上がる話の聞き方(=得する情報)も説明していますが、プロスペクト理論を利用して、あえてネガティブな訴求にしています。


私が運営するチャンネルで、ポジティブ訴求のサムネとネガティブ訴求のサムネのクリック率を比較したとき、ネガティブ訴求のサムネの方が圧倒的にクリック率が高かったというデータがあります。


どんな内容でもまず、「ネガティブ訴求にできないか?」を考える習慣をつけるとよいでしょう。

ただ、あまりネガティブに訴求しすぎると、視聴者を煽ることに繋がりかねません。


節度を持って使いましょう。

 

カリギュラ効果


◎心理傾向

禁止や制限を加えられると、かえって興味を持ってしまう。


◎活用方法

あえて動画を見ないように誘導するワードをいれる。


◎例

「閲覧注意」「〜人以外は見ないでください」など。


例えば、男性でも【男子禁制】と言われると、つい見たくなってしまいます。

禁止されるほど、興味を持つのは人間の本能ですね。


ただこれも使いすぎると、釣りサムネになりかねないので、注意してください。

 

希少性の法則


◎心理傾向

簡単に入手できるものよりも、数が少なかったり手に入りにくいものほど価値が高いと判断してしまう


◎活用方法

「この動画でしか聞けない」と思わせるワードをいれる


◎例

だけ、限定、〜しか、今がチャンス、などの限定感あるワード


▼実際の動画


この例のように「誰にも教えるな」と言われると、自分だけに話されている気がして、限定感を感じます。

友人に「ちょっとこれ、誰にも言ってほしくないんだけどさ・・・」と言われて話し始められると、自分だけに話されてる気がしますよね。

 

カクテルパーティー効果


◎心理傾向

多くの情報の中でも、自分に関連するものだけは反応する


◎活用法方法

「私のための動画だ!」と自分ごと化できるワードをいれる


◎例

〜な人必見、〜な人へ


▼実際の動画


これは可能な限りタイトルかサムネに入れることをオススメします。

多くの人は、動画を見つけても「自分のことだ」と判断ができません。


例に挙げた動画でも「いつまでも友達止まり!」という文言を入れることで、「友達止まり」な人に向けた動画であることを伝えています。

動画内では「優しい男がモテない」と言っています。

恋愛において「優しい男」は高い確率で「友達止まり」で終わるんです。


実際、私のところにも「友達止まりで終わるんですけど・・・」という相談が大量にきます。

つまり、恋愛に悩む男性の多くに「友達止まり」で悩んでいる人が多いんです。


だから、タイトルに「いつまでも友達止まり」と入れることで、視聴者に自分ごとにさせるんです。

ちなみに、「友達止まり」で悩む人は、たいてい性格が優しいため、長期間悩んでいる傾向があります。


ですから「いつまでも」というワードを入れることで、「ずっと友達止まり」な人にとっては「もうやめてくれ!」と感じるくらい自分ごとにさせられるんです。


※ちなみにカクテルパーティ効果の名前の由来は、騒がしいパーティ中でも、自分の名前が聞こえたら反応してしてしまう、ということからきています。

 

ツァイガルニック効果


◎心理傾向

完成されたものより、未完成のものに興味がわく


◎活用方法

動画の重要シーンをチラ見せし、一番気になる結果は隠す


◎例

「このあと、衝撃の結果が訪れる」、「BeforeAfterのAfterモザイク」、「?で隠されたモノ」など
 

これはエンタメ系YouTuberのサムネに多いです。

ハウツー系でよく見る&使いやすいのは、2分割のサムネですね。


ブレイクスルー佐々木さんなんかはよくこのサムネを使っています。
 


このテイストで作られたサムネはかなりクリック率が高まります。

なぜなら、サムネを見たときの「どういう結果になるんだろう?」「どういうことだろう?」という感情が最も高まる設計だからです。


考えた企画が対比やBefore Afterにできそうな場合は、できる限り寄せるようにしてみましょう。

 

権威効果


◎心理傾向

地位や肩書きなどの権威的特徴によって、その人物や発言内容に対する信頼度や評価が高くなる。


◎活用方法

権威付けできるようなワードを入れる。


◎例

〇〇も愛用!、医者が教える、◯◯厳選 など


動画にはしませんでしたが、「メンタリストが厳選する”即実践できる”恋愛本TOP5」のような企画を用意していたことがありました。


当時は、私のやる気がなくなってしまって結局撮影にはいたりませんでしたが・・・

このように権威性を伝えると、初見でも気になります。

人が権威に弱いことは、いくつも心理実験でも検証されています。


この効果は、サムネ単体というより、企画段階から使えるので、是非取り入れてみてください。

 

同調効果


◎心理傾向

自分が大多数の人と同様の意見・行動であると安心でき、逆に自分だけが周りと違うと不安になってしまう。


◎活用方法

大多数の人が支持していることが伝わるワードを入れる。


◎例

流行、人気、話題、注目、使ってないと時代遅れ!?まだ〜してないの?


人は「自分だけが知っていない」ことを恐れます。

逆に「自分だけが知っていたい」とも思っています。


こういった心理に同調効果を用いたサムネが刺さるんです。


これまでにお伝えしたきたことを踏まえて「プロスペクト理論」も掛け合わせて考えると良いですね。

とにかく「コレ知ってないとヤバいよ」と伝えるんです。

人はどんな時でも、周りより劣っている状況を避けたいと考えます。


この心理効果も、サムネだけでなく企画立案をする時に応用できるので、是非取り入れてみてください。