⑧企画の切り口(タイトル)を決める

⑧企画の切り口(タイトル)を決める


企画候補の選定が終わったら、次は企画の切り口(タイトル)を決めていきます。

切り口とは「どのように視聴者に伝えるか?」ということです。


切り口とタイトルはほぼ同義なため、一緒に解説します。

 

ハウツージャンルの企画づくりのゴール


具体的な切り口の解説に入る前に、ハウツージャンルの企画作りのゴールを思い出しましょう。


ハウツージャンルにおける企画づくりのゴールは2種類ありました。

  • チャンネルを俯瞰して見た時の企画のゴール
  • 企画単体を見た時の企画のゴール


チャンネルの全体像を見たときの企画のゴールは「企画に一貫性を持たせること」でした。

企画を単体で見たときのゴールは「この動画を見れば自分の得たい情報が得られそうだと感じること」でした。


企画の切り口を考える上では、特に後者の「この動画を見れば自分の得たい情報が得られそうだと感じること」を意識して考えましょう。


このゴールを再確認した上で、企画の切り口を考えるときに、前提として押さえて欲しいポイントは、つぎの2つです。
 

  • 具体的にすること
  • 初心者を狙ったテーマにすること

 

◎具体的にすること


この2つは私がこれまでコンサルをしてきて、指摘しなかったことがありません。

多くの人が考える企画は、抽象度が高すぎます。


例えば、恋愛ジャンルの例で言うと

  • モテる人の会話術
  • モテる人のマインドTOP5

などです。


このようなタイトルでは、誰も見てくれません。

タイトルを見ただけで、さまざまな疑問が浮かんできます。


モテる人の会話術

  • どんな場面でモテるの?
  • 会話術っていうのは話し方なの?聞き方なの?話題選定なの?


モテる人のマインドTOP5

  • マインドってどういうこと?
  • マインドを知っただけでモテるの?


先ほどお伝えした、企画単体で見たときのゴールである「この動画を見れば自分の得たい情報が得られそうだと感じること」が満たされていません。

人は、抽象度が高いものを具体化するのに時間がかかります。


大量の動画があふれるYouTube上で、わざわざ作り手の意図をくみ取って動画を見ようとする視聴者はいません。

見た瞬間に「自分にとって役に立つ動画だ」と感じさせることができなければ、スルーされてしまいます。


抽象度が高い企画にするのは避けましょう。


抽象度が高いと満足度にも影響する

抽象度が高いと、動画の満足度も低下します。

なぜなら、抽象度が高いと、人によって解釈が分かれるため、具体化しても認識がズレてしまうからです。


先ほどの例で言うと、「モテる会話術」と聞いても「モテる」も「会話術」も人によって解釈が分かれます。


「モテる」と聞いて「好感度が上がる」と想像する人もいれば「特別な存在になれる」と想像する人もいます。

「会話術」と聞いて、「話し方」を想像する人もいれば「聞き方」や「話題選定の方法」を想像する人もいます。


例えば、次のような動画の場合を考えてみましょう。
 

ーーーーー

タイトル:モテる人の会話術

内容:相手の好感度が上がる話しの聞き方を紹介

ーーーーー

この場合・・・


「モテる=好感度が上がる」、「会話術=話の聞き方」と解釈をした人

→期待通りの内容で満足


「モテる=特別な存在になる」、「会話術=話し方」と解釈をした人

→期待と異なる内容で不満足

このように、解釈の違いで満足度に影響が出ます。


企画する際には、「具体的」にして解釈の余地が生まれないようにしましょう。

 

◎初心者を狙ったテーマにすること


続いて「初心者を狙ったテーマにすること」も重要です。


言い換えれば、より多くの人見られることを意識した動画を作りましょう、ということです。

「あれ?ニッチジャンルをめざすべきと言っておきながら、多くの人に見られる動画? 矛盾していない?」と思った人もいるかもしれませんね。


そんな人は「ジャンル」と「企画」に分けて考えると良いでしょう。


お伝えしたように「ジャンル」はニッチがオススメです。

でも、ニッチなジャンルの中でも「企画」は多くの人に見られるような企画をめざすべきです。


では、YouTubeにいる「多くの人」とはどんな人でしょう?

いろんな表現があるものの、ここでは「初心者」ととらえるのがわかりやすいです。


これはYouTubeだけではなく、世の中全般として言えることですが

ある分野についての知識レベルを上級者、中級者、初心者で分けると、初心者層が圧倒的に多いです。

組織などに置き換えてみても、リーダーよりもメンバーの方が多いです。


当たり前ですが、自分が選定したジャンルの中でも、最も視聴者層が多い層にアプローチをすれば、再生数が伸びやすいです。

魚が10匹しかいない池で釣りをするより、魚が100匹いる池で釣りをした方が、釣れる確率は高いですよね。


ですから、初心者層を狙った企画にする方が得です。


具体例を挙げて説明します。


例えば、次のタイトルです。

【CVRを最大化】LPで使えるストーリーフォーミュラの作り方


webマーケティング知識のある方は言葉の意味を理解できるはずです。

でも、そうでない方は意味不明なはずです。


このように、専門用語がバンバン出てくるような企画は、誰も見てくれません。

専門用語を多用した企画を見てくれるのは、数少ない中級者から上級者層の人たちです。


ある分野の専門家がYouTubeを始めても、上手くいかないことがありますが、たいていはボリューム層である初心者を置き去りにしてしまっているのが原因です。

自分では当たり前だと思っている言葉でも、世間一般からすれば意味不明な専門用語であるというとはあるものです。


企画する際は、誰でも分かるような切り口になっているか振り返りましょう。


あるビジネス系YouTuberの方の企画を作るときにも、議論をしたことがありました。

「部下から嫌われるマネジメントTOP5」という企画を採用するかどうかというものです。


皆さんなら採用しますか?


結論は、却下です。


理由は、そもそもビジネスパーソンの中にマネジメントをしている層の割合が少ないからです。

世間一般では、役職者より役職のない社員の方の方が圧倒的多数です。


もちろん、そもそも役職者向けのチャンネルなのであれば、採用して良い企画だと思います。

でも「より多くの人に」という観点からすると、却下せざるを得ない企画です。


企画を作る際は「初心者層」を狙うことを意識しましょう。