登録者が増えた後のYouTubeのアルゴリズム
最後に登録者が増えた後のアルゴリズムについてです。
動画がバズるまでの流れは以下です。
①AIが動画内容を読み取って興味関心のある人+チャンネル登録者のオススメ欄に表示
+チャンネル登録者に通知
②①の評価で追加の表示数が調整される
③興味関心が薄い人のオススメ欄にも表示
④まったく興味関心がない人のオススメ欄にも表示(バズった状態)
①と②だけ変化があるので、詳しく説明をします。

①AIが動画内容を読み取って興味関心のある人+チャンネル登録者のオススメ欄に表示
+チャンネル登録者に通知
これは当たりまえですが、チャンネル登録者がいるとチャンネル登録者のオススメにも表示されます。
これは100%ではなく、普段のチャンネルの視聴頻度や、動画がアップされてからの時間によって変化します。
チャンネルの視聴頻度が高く、アップされてからの時間が短いほど表示されやすくなります。
だから、YouTuberは皆ゴールデンタイムに動画をアップするわけですね。(多くの人がYouTubeを開く時間帯なため)
さらに、オススメだけでなく通知をONにしている視聴者には通知が届きます。

※上記画像の「タイトル・タグ・概要欄の情報から〜」は「AIが動画内容を読み取って」です。
このあたりはただの事実なので、解説はこの程度で良いでしょう。
重要なのは次です。
②①の評価で追加の表示数が調整される
登録者ゼロの状態では、新規で見てくれた人の評価によって表示数が調整されました。
一方、登録者がいる状態では「登録者の評価」が最も優先されます。
当たりまえですが、チャンネルに登録をしている人は、自分がアップしている動画に対して、最も興味関心を持ってくれている人だからです。
ここで言いたいのは「より多くの人に動画を届けるためには、登録者を満足させる必要がある」ということです。
逆に言えば「登録者が満足しない動画を出すな」ということです。
これだけ聞けば、あたり前田のクラッカーだと思うでしょう。
でも、実際に運用を始めると本当に本当に多くの人が逆行した行動を取ってしまうんです。
例えば、仮メンタリストえるで考えてみましょう。
最初は男性向けの恋愛テクニック動画を出して男性視聴者を囲ってきました。
「登録者も30万人超えたし、もっと新規の視聴者を囲いたい!」
「恋愛は誰でも共通で興味があるジャンルだから、女性視聴者も囲えるはずだ!」
そう考えて、女性向けの恋愛動画を出したとします。
そうすると、既存の男性視聴者は見向きもしません。
そうなれば、動画の評価は低く、新規のユーザーへのオススメ表示もされません。
結果的に再生数が回らず、伸びません。
それどころか、女性向け動画を頻繁に出し続けると、既存の男性登録者は「このチャンネルの動画は俺には関係ない動画が多い」と感じるようになり、登録を解除してしまいます。
こうやって、チャンネルが死んでゆくのです。
だから、新規の登録者を増やすためには、チャンネル登録者を満足させつつ、徐々に新規の人にも満足してもらえるように、慎重に設計をする必要があるんです。

◎死んだチャンネルを再建した話
以前私が担当したチャンネルの話です。
その方はいわゆる「お金を配るプレゼント企画」で登録者を20万人くらいまで増やしていました。
「ここから伸ばして欲しい」と依頼をされ、私がコンサルに入りました。
確実に当たると確信した企画を提案し台本を作り、撮影をして、動画をアップしました。
しかし、20万人もいるのに再生数は2,000 ~ 3,000回程度です。
おかしく思った私は、そもそもプレゼント企画で集まったユーザーはチャンネルには興味がないから、動画を見ない、見ないということは、アルゴリズム上何をやっても動画が最低評価になって伸びないと考えました。

そこで私は、その方にロジックを説明して「チャンネルを消しましょう」と提案をしました。
その方はかなり柔軟な方でしたので、快諾していただいて数億円も配って集めた20万登録のチャンネルを削除しました。
その後、再度まったく同じ企画で動画投稿を始めると、ぐんぐん伸びていきました。
100万再生の動画が6本以上、200万再生の動画も3本以上生み出せたんです。
※今では100万人を超えるチャンネルに成長しました
チャンネルを削除して、チャンネルに興味がある視聴者だけを集め続けた成果です。
この一件から私は、「登録者は闇雲に増やさない方が良い」と強く考えるようになりました。

この記事を見ている方で、もしかしたら自分も・・・と思っている方は、一度見直してみてください。
さて・・・
長くなりましたが、ここまでがYouTubeのアルゴリズムの全貌です。
全貌と言っても、YouTubeを戦略的に伸ばしていくためには理解必須の基礎的な考え方です。
この大前提を理解して初めてスタートラインに立ったと言えるでしょう。
この前提を理解した上で、具体的なテクニックや改善方法を知れば、理解していない人の何倍も早いスピードでYouTubeチャンネルを伸ばすことができます。