②①の評価で追加の表示数が調整される
②①の評価で追加の表示数が調整される
ステップ①では、アップされた動画に興味関心のある人に対して動画がオススメされるという話をしました。
ですが、ステップ①の時点で表示されるのはごく少数です。
ではこの表示される人数はどうやって増えていくのでしょうか。
一言で言えば、動画の評価が高ければ高いほど、より多くの人のオススメ欄に表示されるようになります。

具体的な評価基準は以下です。
- サムネ(インプレッション)のクリック率
- 視聴維持率
- 視聴時間
- シェア数
順番に見ていきましょう。
サムネ(インプレッション)のクリック率
まずはサムネのクリック率が評価されます。
サムネのクリック率が高いだけでも、一定数オススメ欄に表示される人数は増えます。
実際、オススメ欄に出てくる動画のサムネはインパクトが強いことが多いと思います。
なぜなら、サムネのクリック率が高い動画を表示をすれば、ユーザーが動画を見てくれる可能性が高まるからです。
どれだけ中身が良い動画でも、まずクリックされて、再生されなければ意味がないですからね。
そのため、YouTubeにおいてサムネは最重要であると言っても過言ではありません。
ちなみに、サムネのクリック率はチャンネルの成長フェーズや複数の変数によって変わるものの、動画公開2日後で大体7%以上あれば十分です。
※サムネの詳細は「クリック率が爆上がりするサムネ設計方法」の章に詳しく書いています。

応用的な知識ですが、チャンネル立ち上げ初期はクリック率が高くなる傾向があります。
理由は、動画投稿初期はかなり絞られたユーザーにしか露出されないためです。
これはステップ①を思い出してもらえれば納得感があるかと思います。
まずは、ある分野に興味関心の強い人にしかリーチされないので、必然的にクリック率が高くなるのです。
そもそも興味がある人にオススメをするので、サムネが微妙でもクリックされやすくなり、サムネが強いとさらにクリック率が高まります。
チャンネルが伸びてくると、興味関心が薄い層のオススメ欄にも表示される(ステップ③以降で解説)のでクリック率が低下します。

このあたりは、チャンネルの属性によっても変化するポイントなので、運用をしていく中で、都度目安となる数値を設定していく必要があります。
視聴維持率
次に、視聴維持率です。
※最近管理画面上では「再生維持率」という文言に変わりました。
視聴維持率とは文字通り、一つの動画が、再生されてからどれだけ離脱せずに見られたかという数値です。
10分の動画が5分視聴されたら、視聴維持率は50%です。
視聴維持率とは、ひと言で言えば「動画の質」と言えます。

最後まで見てもらえる動画が質の良い動画で、動画を開いてもすぐに離脱してしまうような動画は質の悪い動画です。
ちなみに、これもジャンルや動画時間などにもよりますが・・・
視聴維持率が40%を超えていれば質の良い動画と言えます。
※2024年現在では、視聴者に対して長尺動画の視聴態度が情勢されたため、より一概には言えなくなってきましたw
一目安として考えてください。
先ほど、YouTubeにおいてはサムネが最も重要であるとお伝えしました。
たしかに「見られないと意味がない」という点で言えば、最も重要です。
しかし、どれだけ良いサムネでクリック率が高くても、動画がつまらないと評価はされません。
本質的にはこの「動画の質」が最も重要です。
実際に、これまで複数チャンネルを運用してきて感じるのは、視聴維持率(厳密には視聴時間も含む)が最も評価に影響をしているということです。
どれだけサムネのクリック率が高くても、視聴維持率が低い動画の再生数は伸びません。
これはYouTubeの運営側からすると当たりまえですよね。
サムネのインパクトが強いだけの動画をオススメに表示しまくるとどうなるでしょう。
多くのユーザーが釣られてクリックをするものの、中身はめちゃくちゃつまらないと感じます。
そうなってしまえば、ユーザーは「YouTubeは釣りサムネで、つまらない動画ばかりだ」と感じるようになります。
その結果、YouTubeへの信頼がなくなり、YouTubeに訪れる機会(滞在時間)が減ります。
最終的にYouTubeはユーザーを失って、売上が下がってしまいます。
視聴維持率(総視聴時間)は最重要指標として考えておきましょう。

視聴時間
続いて、視聴時間です。
視聴時間とは、ユーザーがある動画を何分再生したかということです。
ここまでの論理の積み上げからすると「視聴時間が最も重要なのでは?」と思う人もいるでしょう。
そのとおりで、視聴時間が長ければ長いほど、YouTubeへの滞在時間を増やすことができるため、最も重要と言えます。
さらに言えば、長時間の動画は広告も多く挟むことができるため、収益も上がります。
ですから、長時間の動画で且つ維持率の高い動画はかなり優遇されます。(オススメに乗りやすくなります)
◎視聴維持率と視聴時間はバランスが重要
視聴時間は重要なものの、ここで押さえておいて欲しいのは、視聴維持率と視聴時間はバランスが重要だということです。
この「バランスが重要」には、答えがなく、ちょうどよい塩梅を見極める難易度がかなり高いです。
例えば、次の2つの動画があったとします。
動画A
動画時間 :10分
サムネのクリック率:10%
視聴維持率 :50%
視聴時間 :5分
動画B
動画時間 :60分
サムネのクリック率:10%
視聴維持率 :17%
視聴時間 :10分
ここまでの話を踏まえると、サムネが良くて、視聴維持率が高ければ「質の良い動画」でした。
ですから、視聴維持率が50%の「動画A」が良い動画と言えます。
でも、最初に立ち戻ってYouTubeのCEOの気持ちになって「どっちの方が売上が上がるのか?」を考えてみるとどうでしょう?
「動画B」の方が「稼ぐ動画」です。
つまり、「動画B」の方が良い動画と言えます。
このように、一概にどちらが良いとは言い切れません。
「動画A」の方が、50%も視聴してもらえているため、視聴者に「良い動画だった!」と思ってもらえそうなものの、収益は大きくありません。
一方で「動画B」の方は「動画A」の倍の10分視聴してくれているため、収益は大きいものの、維持率が17%なため、視聴者に「微妙な動画だった」と思わせる可能性があります。
今回の例の場合もチャンネルの規模などによっても変わるため、運用しながら見極める必要があります。
◎個人的見解
ただ、個人的見解で言えば、この例の場合「動画B」の方が良い動画と言えるでしょう。
なぜなら、視聴者が満足していると考えられるからです。
たしかに、「動画B」の維持率は17%なものの、10分も視聴してもらえています。
10分も視聴してくれているなら、ユーザーも満足してくれていると言えるでしょう。
加えて「動画A」の倍もYouTubeに滞在させてくれています。
結果として、「動画B」の方が良い動画と言えるでしょう。
※本当に一概に言えませんがw
◎視聴時間はフェーズによって無視することもある
ただ、ここで1点注意したいことがあります。
それは、視聴時間についての考え方は、あくまでベースの考え方なだけということです。
実際に運用をする時、サムネのクリック率、視聴維持率はどんなフェーズでも重要視します。
でも、視聴時間はフェーズによってを無視することもあります。
ちなみに、私は試行錯誤の末、特に立ち上げ初期は視聴時間フル無視戦略が最も勝率が高いと結論付けました。
※コンサルしたチャンネルで細かく分析、考察して、数ヶ月間集中して検証しました。(詳細は後述します)
シェア数
最後にシェア数です。
シェア数とは、YouTubeの動画をTwitter、LINE、ブログなどで共有されることです。
シェア数が重要な理由は、ひと言で言えば「シェアをする」という行動がYouTubeが達成したいことをすべて満たすアクションだからです。
YouTubeが達成したいことは以下でした。
- YouTubeを見てくれるユーザー数を増やす(接触頻度を増やす)
そのために、「YouTubeには、自分の興味関心がある事に関する動画がある」と思ってもらうこと
- ひとりあたりの滞在時間を最大化する
そのために、視聴した動画に満足してもらうこと
まず人が動画をシェアするとき、その動画は「見る価値のある(おもしろいと思える)動画」なはずです。
おもしろい動画とは、つまり「視聴維持率の高い動画」です。
ですから、シェアされた側もつい最後まで動画を見てしまいます。
よって、シェアされたユーザーの「YouTubeへの滞在時間」が増えます。
さらに、見た動画が面白かったら「別の動画も見てみよう」と、YouTube上でさらに別の動画を探して視聴をします。
よって、シェアされたユーザーの「YouTubeの利用頻度」が増えます。
このように「シェア」はYouTubeにとってのポジティブループを生み出します。

さらに、シェアが増えれば、YouTubeの利用ユーザーも増えます。

このように、「シェアをする」という行動はYouTubeが達成したいことをすべて満たすアクションです。
ユーザーがシェアをすれば、多くの人にYouTubeを利用する機会を与えます。
さらに、シェアされる動画は「質の良い動画」です。
「質の良い動画」を見た人は高い確率で満足をしてYouTubeへの信頼が高まります。
そのため、動画を作る時にはシェア数を意識して動画を作るのも良いでしょう。

ちなみにまた別記事でも解説をしますが、TikTokにおいてはこのシェア数の評価割合がかなり大きいです。
どのSNSでも、シェア数が重要な理由はここまでの解説をした論理で同じと考えて良いと思います。
ただしプラットフォームによって「どの指標を優先するか?」は異なります。
異なる理由はプラットフォームの特性や、会社の理念などが企業ごとに違うからです。
長くなってしまいましたが、どれも重要なことで、ここまでの前提がないとこれ以降の話の理解が難しくなってしまうため解説をしました。
※ちょっと補足
おそらくShortsが出てきた背景にも「長尺動画シェアする難易度高くね?」「じゃあそもそもショート動画増やせばシェア増えるんじゃね?」みたいな考え方があると思います。
仮メンタリストえるも初期は5分程度の短い動画をバンバン出していたので、おそらくシェアもしやすかったのでしょう。
その結果「こいつの動画めっちゃ外からユーザー連れてくるやん!」となりオススメに乗りまくったんじゃないかなと、今更ながら思います。