戦略設計②「ターゲット」と「ニーズ」を明確にする

ターゲットを明確にする


目的を明確にしたら、つぎはターゲットを明確にしましょう。


ターゲットとは、「誰に向けて動画を発信するか?」ということです。

ターゲットを明確にすることで、運営側、視聴者側、双方の利益の最大化に繋がります。

このターゲット次第で考えるべき企画が変わります。

必ず明確にしましょう。


ターゲットが明確でない動画は、「誰に向けたかわからない動画」です。

誰に向けたかわからない動画は、誰にも見られません。

これは一般論として当たり前のように言われているものの、多くの人が意外と意識できていません。


特に、YouTubeにおいては、ターゲットが曖昧な動画の再生回数は伸びません。

チャンネル登録者数も伸びません。


ここで、本教材でも紹介したYouTubeのアルゴリズムを思い出してみましょう。


▼YouTubeのアルゴリズム

①AIが動画内容を読み取ってチャンネル登録者+興味関心のある人のオススメ欄に表示

②①の評価で追加の表示数が調整される

③興味関心が薄い人のオススメ欄にも表示

④まったく興味関心がない人のオススメ欄にも表示(バズった状態)

 


このアルゴリズムを前提にしたとき、ターゲットが明確でないとどうなるでしょうか?


上記のアルゴリズムに沿って解説をします。

 

①AIが動画内容を読み取ってチャンネル登録者+興味関心のある人のオススメ欄に表示


ターゲットが明確でないので、YouTubeのアルゴリズムも「誰にオススメしたら良いかわからない状態」になってしまいます。

そのため、動画を公開しても誰のオススメにも表示されません。

もしかしたら、動画情報の何かしらの要素とマッチした視聴者を見つけたら、オススメに表示してくれるかも知れませんが、ほんのわずかでしょう。


YouTube側からすれば「誰に向けた動画かわからない動画」を、適当な視聴者のオススメ欄に表示するのはリスクが高すぎます。

なぜなら、適当な動画を見た視聴者は「YouTubeの動画はつまらない」と感じて、YouTubeへの信頼を失うからです。


視聴者がYouTubeに対する信頼を失ってしまえば、YouTubeへの滞在時間も減ります。

YouTubeへの滞在時間が減れば、YouTubeは売上が下がり、損します。

 

②①の評価で追加の表示数が調整される


続いて、①で視聴者のオススメに表示されたら、動画が評価されるのでしたね。


評価されるのは次の項目でした。

◎サムネのクリック率

オススメ欄に表示された人のうち、どのくらいの人がクリックして動画を開いてくれたか。


◎視聴維持率(視聴時間)

動画を視聴した人は、全体の何%(何分)動画を視聴したか。


◎シェア数

動画を視聴した人のうち、どのくらいの人が動画をシェアしたか。


では、ターゲットが明確でないと、動画の評価はどうなるでしょうか?


まず前提として、①でも伝えたように、ターゲットが明確でないので表示される人はごくわずかです。

そのため、評価するための母数が少なくなり、正しく評価ができません。

正しく評価されないということは、点数で言えばゼロ点の状態です。


当然ながら、評価もまともにできないゼロ点の動画を「追加でもっと多くの視聴者のオススメ欄に表示しよう」とはなりません。

ですから、この後に③④のステップもあるものの、ターゲットが明確でない動画はここから次のステップにいくことはできません。


結果的に再生数は、多くても2桁止まりとなってしまうわけです。

 

③興味関心が薄い人のオススメ欄にも表示


しっかり評価された動画は、その評価に応じでこのステップでの露出数が決まります。

でも、先述したようにターゲットが明確でない動画はそもそも、まともに評価すらできていないため、このステップまでたどり着きません。

 

④まったく興味関心がない人のオススメ欄にも表示(バズった状態)


こちらのステップも同様です。

ステップ③にもたどり着けない動画にステップ④は訪れません。


ここまでが「ターゲットが明確でない動画は伸びない」という理由の解説です。

「誰に向けたものかわからないものは、誰にも受け入れられない」という当たり前のことですが、実際自分が考える立場になると難しいものです。


今回はYouTubeのアルゴリズムをもとに説明をしたので、より納得感を持つことができたのではないかと思います。

 

ターゲットを明確にする方法


次に、ターゲットを明確にする方法です。


以下の3つに分けて解説をします。

  • 自社事業・自分の商品の売上拡大をしたい人
  • ニッチジャンルで登録者を増やしたい人
  • オールジャンルで登録者を増やしたい人

 

自社事業・自分の商品の売上拡大をしたい人


自社事業の売上拡大、自分で商品を持っていて、売上を拡大したい人は、自分が売りたい商品のターゲットと揃えましょう。


例えば、恋愛に悩む男性向けの50万円の「モテる男になるためのスクール」を運営をしているのであれば、「恋愛に悩む男性」をターゲットにします。

さらに、単価が50万円ということは、おそらく中高生はメインのターゲットからは外れると思います。

ですから、ターゲットを「恋愛に悩む、30代〜40代後半の男性」と設定をします。


売りたい商品がある人は、商品を買ってくれる見込み顧客を集めるだけで良いので、明確です。

「商品を購入しない層」を集めても、商品が売れないので意味がありません。

そのため、ターゲットは自分が売りたい商品のターゲットと揃えましょう。

 

ニッチジャンルで登録者を増やしたい人


少ないケースですが、売上拡大などの目的がなく「ある特定のジャンルで有名になりたい」という人は「発信しているジャンルの初級者層」をターゲットにしましょう。


登録者数を増やしたいのであれば、最も多い層を狙うべきです。

多くの魚を釣りたいなら、10匹しかいない釣り堀より、100匹いる釣り堀を選びますよね。


この「層」の分け方はいろいろあるものの、ここでは「知識レベル」で分けることとします。

知識レベルで分けた場合、概ね、上級者、中級者、初級者で分けられます。

このうち最も多いのは、初級者層です。


例えば「キャンプ」で考えてみても、なんとなく最低限のことを知っている人はたくさんいるものの、詳しい人はあまりいませんよね。

動画をアップするとしたら、「【上級者向け】オイルランタンとガソリンランタン徹底比較」という上級者向け動画よりも「【これだけあればOK】初キャンプの必需品10選」という初心者向け動画の方が再生数が伸びます。


ですから「登録者数を増やしたい」人は「初級者層」をターゲットにしましょう。

 

オールジャンルで登録者を増やしたい人


これはつまり「とにかく登録者を増やして有名になりたい」という人のことです。


有名どころでいうと、東海オンエアはじめしゃちょーコムドットなどが挙げられます。

本教材でもくり返しお伝えしているように、オールジャンルオススメはしません。

今からこのジャンルで戦って勝てる見込みはほとんどないでしょう。


オールジャンルで登録者を最大化したいなら、老若男女すべての人に受け入れられる必要があります。

ですから、ターゲット設定はする必要がないんです。

あえて上げるなら、世代、男女くらいの設定です。

「ざっくり20代の女子」などですね。


このあたりはあまりオススメしないので、これ以上の解説は省略します。

 

ターゲットを具体的にする


ここまでで、ターゲットはある程度明確になりました。

ただ、これだけではまだ「明確になった」とは言えません。

もっと詳細に分類する必要があります。


例えば、先ほどの例で「恋愛に悩む30代〜40代後半の男性」をターゲットとしました。

もしあなたが「このターゲット層が大満足する動画をひとつ作ってください」と言われたらどんな動画を作りますか?

思いつきそうで、意外と難しいのではないかと思います。


なぜなら、「恋愛に悩む30代〜40代後半の男性」の中にもさまざま人がいるからです。

彼女ができなくて悩んでいる人なのか、彼女がいるけど二人の関係性に悩んでいるのか、など。

ここまで明確にすることで、視聴者が大満足する動画を作ることができるのです。


例えば、仮メンタリストえるの場合は「好きな人と付き合いたいけど、どうしたら良いかわからない20代〜30代の男性」をターゲットにしていました。

ここまでターゲットが明確になれば、迷わず「付き合うためにはどうしたら良いか?」にフォーカスをして動画を投稿し続けられます。


視聴者も「付き合うためのテクニック」を求めているので、満足してくれます。

ターゲット設定はここまで細かく設定をしましょう。

 

「ターゲット」のニーズを明確にする


ターゲットが明確になったら、次は「ターゲットのニーズ」を明確にしましょう。

この手順は、ターゲットが明確にならない場合、先に考えても良いです。

ニーズから考えることで、ターゲット像が浮かんでくることがあります。


ターゲットのニーズを明確にすることで、視聴者が求めている企画を考えることができるようになります。

ターゲットのニーズは、「なぜ、視聴者はあなたの動画を見るのか?」を考えると良いです。


例えば、仮メンタリストえるの場合

  • 女子との接し方を知って、モテたい
  • 好きな人と付き合う方法を知りたい

などです。


ニーズまで明確にすることで、どんな人に動画を届けるのか、具体的にイメージができるようになります。


ここまで具体的にイメージができて初めて「ターゲットを明確にした」と言えます。